幸も不幸も人の間に

 人と人の関係にはいろいろある。

 友人関係、家族関係、恋愛関係、仕事関係。

 

 人の悩みの大半は人間関係が起因する。

 友人と喧嘩した、気まずくなった。親の監視の目がうざい、放任主義が過ぎる、過干渉。好きな人に異性として見られない、嫌われた、束縛が激しい。上司に理不尽に怒られた、セクハラ、パワハラモラハラetc

 また、対人の悩み以外にも、孤独でも人は悩む。友人ができない。恋人ができない。いつも一人で淋しい、むなしい。

 

 しかし、実は人間関係とは幸せな人生には必要不可欠なものでもある。

 幸せな人生に必要不可欠な人間関係とはどんなものだろうか。

 

  • 自分のことを理解してくれる人がいる。
  • 自分が信頼できる人がいる。

 

 では、自分のことを理解してくれる人とはどう出会えるだろうか。自分が信頼できる人とはどう出会えるだろうか。

 

 実は、もう出会っているのかもしれない。

 

 「理解してくれる人」というと、時に人は自分が何も言わなくても全て知っていてくれるような人を想像するかもしれない。しかし実生活で自分の思考回路を全て把握できる他人など存在しない。

 

 「理解してくれる人」というのは出会うのではなく、関係を育むことで得られる。

 

 そして「理解してくれる人」と関係を育むためには、自分もまた相手を理解しようと努めなければならない。理解しようと努めるということは、相手の話に耳を傾け、自分の話もして、共通点を見出したり、意見をすり合わせたり、違いを認め合ったりすることだ。そうして互いの考えを尊重しあうことで、互いに理解し、そして信頼することができる。

 

 理解してくれる人、信頼できる人は100%善人である必要はない。

 互いの良いところも、悪いところも理解しあい、意見が合わないことがあってもむりやり捻じ曲げようとせずに認め合い、「あいつはああいう人間だよな」と偽りなく思える関係。そういう関係の人と、友人や家族や恋人として縁切れることなく人生で関わり続けることができる時、人は幸福を感じるのかもしれない。