有害な男らしさ

 Twitterで気になるツイートを見つけた。とある女児の母親の、多数男児による付きまといやジロジロ見るなどの行為が気になる・男児の母親は将来自分の子どもが性犯罪者にならにようにもっと危機感をもって教育しろといった内容のツイートだ。

 

 自分も男児を育てている一人の親として、様々な感情を抱いた。

 

・自分の子供が将来性犯罪の加害者になったらどうしよう。

・実際に性犯罪の加害者の9割は男性である。

・一人の性犯罪の加害者が生み出す被害者は数百人。

・いやいや、男児すべてが性犯罪の加害者になるわけではないのに全ての男児を敵視するのはやりすぎでは?

・しかし社会が男性の加害性に対して寛容だからこそ、親がしっかりしなければ?

 

 親である自分たちが、男児の抱えうる有害な男らしさをきちんと理解しなければ、おそらく不安の正体はつかめないだろう。それを言語化してくれる本が太田啓子氏著書の「これからの男の子たちへ」である。

 

 

 

 女親からは理解しにくい男性社会の構造をとても分かりやすく解説してくれている。

 つい「男子ってバカでかわいいよね」「男子って好きな子ほどいじめるし仕方ないよ」と思ってしまうのであったとしたら、それはすでに有害な男らしさを助長しているのだ。有害な男らしさを幼少のころから刷り込まれた子供は、やがて有害な大人になる。

 

 男は強いのが当たり前。

 女々しい男は存在価値がない。

 経験人数が多いほど男として格が上がる。

 女のくせに男に口答えするなんて生意気だ。

 俺が女と性交渉できないのは受け入れない女が悪い。

 

 これらは全て、有害な男らしさ。自分の息子がこのような大人に成長したとしたら、私は死にたくなる。

 そうならない為に、身近な大人であり親である私が意識をアップデートしなければならない。人権教育や、日常に我が物顔で居座る性暴力表現や男性中心社会への疑問・意見を自分自身でしっかりともたなければならない。また、親から与えずとも子ども本人がアクセスできるネット上のあらゆるアダルトコンテンツは現実と全く異なることも、今後しっかり伝えていかなければならない。

 

 全ては人権教育。

 他者を尊重し、理解し、感情に寄り添う。自分のことは自分でケアをする。余力があれば、他者にも手を伸ばしケアをする。他者に依存しすぎない。

 

 意識というものは一朝一夕で変えることはできない。日々、この瞬間が自分自身というものを作り上げている。

 

 もし、あなたが女性なら、身近に有害な男らしさを持つ人はいますか?それによりどんなことに困っていますか?

 もし、あなたが男性なら、生きづらいと思うことはありませんか?見て見ぬふりをしたことは何かありませんか?

 

 他人を変えることはすぐにはできない。しかし自分を変えることは今すぐできる。

 そして自分が変わっていけば、社会も変わっていく。

 より良い人生を歩むためにも、まずは身近なところから変えていこう。