とりあえず選挙に行こう。お金もかからないし。

 人間、生きるのにお金がかかる。

 着るもの、食べるもの、住む場所。衣食住を確保するのにはお金がかかる。また、文化的な人間らしい生活を送るのにもお金がかかる。

 

 そのお金を稼ぐために、人は働く。仕事をする。生活に必要なお金が手に入ったうえで、それ以上に働くか否かは価値観によるだろうが、基本的に人は生きていくのに必要な最低限の収入が必要だ。

 

 そんな折、下記のニュースが目についた。

 

90歳を超えた元厚生次官は「わが子のような」年金の行く末を憂う…「70歳まで働き、70歳から受給を」

 

 上記の記事から一部、抜粋する

人生100年のうち、50年ぐらいは働くのが自然なんじゃないでしょうか。もちろん、働けない人もいます。でも、若い世代が減っているのだから、働ける人は原則70歳まで働いて保険料を納め、70歳から年金を受け取れる仕組みをぜひ検討してほしいと思っているんですよ

 

 人生100年時代。もうずいぶん聞いた言葉である。そのうち50年も働くことを考えねばならない人生とは。まるで人は働くために生きているかのような印象を受けた。いや、違うだろう。もちろん食い扶持の確保は大切だ。しかし、健康寿命ギリギリまで仕事をする人生とはいったい何のための人生なのだろうか。

 人によっては仕事内容が天職で、仕事をすることが最上の喜びだという方もいるかもしれない。しかし、私はそうではない。そして、多くの人はそうではないだろう。

 

 近年の円安・インフレで、今手元にあるお金の価値は日々変動している。同じ額面の日本円でも、得られるサービスや物が変わっていく。そして主に、同じ額面であれば年月を経るごとに少なくなっていく。

 また、働いても社会保険料や税金でどんどん取られていき、額面が増えていかなければ手取りはどんどん減っていく。そんな生活を強いられてしまう現役世代の絶望はなかなか深い。

 

 お金のかからない楽しみや、希望はもちろんある。お金が全てではない。しかし、お金がなければぶつかってしまう不幸は確かにあるのだ。

 この現状を少しでも変える、お金のかからない方法がある。

 

「選挙に行くこと」

 

 期日前投票でも良い。選挙当日でもいい。必ず投票所に行き、誰かしらの名前を書いて投票する。投票所に行ってさえしまえば、3分もかからない。1円も取られない。

 

 今の日本の現状に不満があるのであれば、とりあえず対立候補に投票すればいい。現状のままでいいのであれば、現職に投票すればいい。

 

 自分が投票した人が当選しなかったとしても、それは無駄ではない。自分が該当する年代の投票率が高いと、議員は政策を考える際にその層を意識せざるのである。なぜなら、次回の選挙でその層からの支持を得られないと失職するからである。

 

 選挙は人気投票ではない。

「自分の生活の基盤となるお金の使い方を決める人」を決めるお祭りだ。

 

 仕事をしている人は自分の給与の源泉徴収票を一度確認しよう。

 そして、社会保険料所得税、住民税、介護保険料、年金などの手取りを減らしている項目を確認しよう。そのお金を使い方を決める人を、自分で決める為に、選挙に行こう。