家の広さと子どもの成長

 我が家は2LDKの賃貸に住んでいる。広さは55㎡。4人家族で過ごすには少し狭い家だが、子ども達がまだ2人とも未就学児なので今のところ日々の生活に支障はでていないが、今後も問題なく過ごせるかは分からない。

 

 国土交通省が住生活基本計画における居住面積基準では、最低居住面積、つまり生活保護的な意味で必要な広さは4人家族だと50㎡。ギリギリ満たしている。

誘導居住面積、豊かな生活を送るための広さは都市居住型、つまりマンションなら95㎡。一般形、つまり一戸建てなら125㎡。

 

 4人家族で95㎡のマンションもしくは125㎡の一戸建て。

 都内在住の私としてはまるで夢物語のような広さの家である。昨今の不動産価格の上昇を見ていると、誘導居住面積の家に住めるのはかなり限られてしまうのではないかと思わされる。新築はおろか、中古ですら価格は跳ね上がっているのだから。

 ちなみに3人家族の場合75㎡のマンションもしくは100㎡の一戸建て、2人家族の場合55㎡のマンションもしくは75㎡の一戸建てらしい。

 

 話は変わるが、私は間取りを見るのが好きである。2週間に1度発行される新築マンションのフリーペーパーは定期的に手が伸びてしまう。そのフリーペーパーを見ていても、ファミリー向けと供給される部屋の広さは55~80㎡が多い。なるほど、昨今の供給されるマンションの広さを見る限り、一般庶民はDINKsもしっくは一人っ子政策が推進されているのかもしれない。

 

 不動産価格の高騰、都市部への人口集中は少子化推進のトレンドなのかもしれない。その上自治体による子育て支援の差が、東京一極集中を招くのかもしれない。実際に私の身近なところでも最近横浜から引っ越してきた子育て世帯を見ている。フリーペーパーの広告では「子育てしやすい横浜市!」をでかでかと広告しているがその内情はX(旧Twitter)を検索すれば知れてしまう。

 待機児童数0を謳っているがただの条件いじりによる表面上の数字だとか、子どもの医療費格差、高校無償化の所得制限を東京都だけ撤廃した事、東京都が行う018サポート、保育料の自治体格差、公立中学校に給食がないetc

 個人的には最近の埼玉県の治安悪化(川口のクルド問題、子ども留守番禁止条例未遂)も東京一極集中に貢献している気もする。

 

 子どもは日々成長していく。今はまだ100㎝前後の子どもたちも、あと5年もすれば私と同じくらいの背まで伸びるだろうか。子ども達が着る洋服も体の成長にあわせて大きくなるし、大きくなればしまうスペースもそれだけ必要になる。しかし、家は時間が経っても広くはならない。収納を工夫するか、物を減らすか、はたまた住む場所を変えるか。

 子どもの成長にあった、快適な住環境を整えたいものだ。