あなたを大切にしてくれない人と一緒にいなくていい

 人対人で接する時、相手はあなたをどのように扱うか。

 

 一人の対等な人間として敬意を払うか。単なる駒と見て好き勝手扱うか。

 

 前者の場合、きちんと挨拶をしたり、礼儀を尽くしたり、気遣いや気配りをするだろう。感情を持つ人間同士、同じことを伝達するにも表現の方法を工夫することでコミュニケーションをより気持ちの良いものにすることができる。

 しかし後者の場合、感情の波のまま振り回したり、気遣いの言葉もなく命令口調、責め苦を並べる、見下すといった攻撃的な表現が多く出てくる。

 

 例えばAさんの目の前の物を取りたいとする。

 「Aさんすみません、前にあるそれ取ってもいいですか?」や「ちょっと前失礼します」といった一言声をかけて物を取る人。「どいて!」や「邪魔」といった攻撃的な声掛け、果てには無言で前の物に手を伸ばして物を取る人。どちらの方がAさんと良好な関係を維持できるだろうか。

 

 仕事の不満や改善してほしい点を上司のBさんに伝えたとする。

 「そういうことで悩んでいたんだね、教えてくれてありがとう。でも今すぐに改善はできないから、私もサポートしながら少しずつ改善していこう」と受け止めてもらえるか、それとも「私はそうは思わない。そうやって不満をもつならもっと努力しろ。私には私の仕事がある」と全面的に突っぱねられるのではどちらが上司のBさんとの信頼関係が築けるだろうか。

 

 人対人のコミュニケーションはどちらにも感情がある。行きつく結果が同じだったとしても、伝え方の表現や、感情への寄り添いなどが変わるだけで感情の着地点が大きく異なる。その感情の着地点の積み重ねが信頼関係に結び付く。

 

 楽しみにしていたお出かけが行けなくなってしまった。

 お気に入りのアクセサリーを失くしてしまった。

 仕事の業務量が多くて忙殺されそうになった。

 

 物事として残念な結果になってしまった時、その落胆や悲しみ、苛立ちや怒りといった感情を「悲しかったね、大変だったね」と寄り添ってくれる人はあなたの周りにいるか。また、近くにそういった人がいた時、あなたは寄り添ってあげれるだろうか。

 

 周りの人に寄り添い大切にしてあげると、あなたを大切にしてくれる人は集まってくる。逆に、あなたが周りの人を大切にしなければ、周りの人もあなたを大切にしない。自分が尊大にふるまってもついてきてくれる人はいる!と思っている場合、それはあなたの地位や権力に付き従っているだけで、あなた自身についてきている訳ではない。

 

 本当に一人の人間として、あなたのことを大切にしてくれる人はいるか。

 また、あなたが大切にしている人はいるだろうか。