異次元の少子化対策、年末まで延期?

  6月に入り、異次元の少子化対策の骨太方針がいよいよ出される!!!

 

 と、思っていたのだが、年末まで延期されることになったらしい。

 推測される要因として

 

 ・児童手当を18歳まで拡充する代わりに16~18歳の扶養控除を見直す

 

 これに対する反発が政府予想よりも大きかったのではないか、と個人的に思う。もちろん私は扶養控除の見直しには反対である。またその他にも

 

 ・第三子が3歳以上の場合月1万を3万に増額→第一子が高校卒業すると第二子が第一子扱いになるため、対象となる世帯がほぼいない。

 ・16~18歳の扶養控除がなくなることで高校無償化の所得制限のボーダーに近づきやすくなり、対象外の世帯が増える。

 ・大学無償化の所得制限のボーダーも遠のき、対象外の世帯が増える。

 

 と実質子育て世帯への支援は、拡充どころかほとんどの世帯で負担増になることが予想される。これは高所得者世帯だけではなく、たとえばぎりぎり住民税非課税世帯だったのに扶養控除で住民税課税世帯になり、あらゆる支援が打ち切られるといった可能性もある。子育て世帯全体的に不利になる少子化対策、うむ、まさに異次元。もちろん悪い意味で。

 

 ここで合わせて言いたいのが、0~15歳は既にこの状態に陥っているということだ。

 ohizablog.hatenablog.com

 

 控除の代わりの給付は悪手だ。給付は政府の考えでいつでも減額、廃止できてしまうのだ。そもそも働いている大人にもある基礎控除(最低限の生活費には課税しないという考え)に対応しているのが、働いていない・働けない人への扶養控除である。控除は支援ではなく、生存権の担保という性質も持っている。それをいつでもなくせる給付に置き換えることは、0~15歳の扶養控除廃止および児童手当の特別給付による減額や廃止の二の舞を踏む。

 

 今回の扶養控除廃止についてはオンライン署名も募集しているらしい。寄付金も必要なし。メールアドレスと氏名だけで署名することができるのでもし興味があればぜひご協力をいただきたい。 

 www.change.org

 

 この予想外の反対の多さに、6月発表予定を年末まで延期する、と政府は判断したらしい。

 

 そうしている間にも少子化が刻一刻と進んでいることが分からないのか。

 

 人間には妊娠可能な時期が限られている。また男女ともにある一定の年齢を過ぎるとその妊孕性は著しく低下していく。半年遅れるという事は、約6回、妊娠のチャンスを逃すということだ。そしてそのチャンスはだんだん成功率が落ちていくものである。

 

 今年も残すところあと7か月。今年の出生数はもう決まっている時期だ。きっと過去最低の出生数、出生率をマークした2022年よりも、深刻な事態になっているだろう。一日でも早い政府の決断と、日本に回復の兆しを願いたい。