知識と教養は人生を豊かにする

 先日、夏休みを満喫する姪から連絡があった。

 

「マッシュルって漫画知ってる?」

 

 私の記憶が正しければ、この前の春アニメでアニメ化されていた、週刊少年ジャンプ連載作品のギャグ漫画である。魔法が当たり前の世界で、魔法が使える証として身体にアザがあるのが普通の世界で魔法が一切使えずアザのない身体で生まれてきてしまった主人公が、筋力で全てを解決していくという内容。

 原作は読んだことはないがアニメは初めの数話ほど視聴をしていた。ハリーポッターのオマージュ作品だな、と思いながら。

 

 しかし姪はハリーポッターをまだ読んだ事がない。それでも楽しんでいたようだ。

 

 このことが、同じ作品に触れるにあたって、知識や教養があるとまた違った角度からも作品を楽しめるのだという気づきを私に与えてくれた。

 

 有名な話ではあるが、名探偵コナンの主人公の名前の江戸川コナンは有名推理小説作家の名前をもじったものだ。海外の推理小説作家のエドガー・アラン・ポーをもじった江戸川乱歩の江戸川。コナン・ドイルのコナン。

 またアガサ博士はABC殺人事件で有名な推理小説家のアガサ・クリスティから。

 

 フィクションの物語の中に、ノンフィクションの情報が入り込んでいるのを見つけるのはとても楽しい。別世界の話とは分かっていても、もしかしたら自分の知り得ないだけで、自分の知らないところの現実で起きている事象なのではないかとワクワクする。

 

 また、時代背景を知っていると物語をより理解しやすくなることもある。大河ドラマ歴史小説。今期アニメ化されている、私の幸せな結婚では大正時代をベースとした世界観の物語だ。今ではあまり馴染みのない家族観や常識、文化を知っているとより一層作品を楽しめる。

 

 小説や映像作品だけでなく、音楽で同じ事が言える。音楽作品が作られた時の作曲家の境遇や時代背景、発表後にまつわるエピソードなど、作品の背景を知るとより一層メロディや言葉への感動が増すこともある。

 

 もしかしたら私が気づかなかっただけで、これまでの人生で触れてきた多くの作品にも古典や歴史の教養がある事でより深く楽しめる作品があったのかもしれない。作品を楽しむ際に、作品にまつわる背景を調べる事は知識を増やし、より一層文化的教養を得られるだろう。